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第2代リンリスゴー侯爵、ヴィクター・アレクサンダー・ジョン・ホープ（, 、1887年9月24日 - 1952年1月5日）はイギリスの政治家、貴族。 1936年から1943年にかけてインド総督を務めた。インド人に諮ることなく独断で英領インド帝国を第二次世界大戦に突入させたうえ、インド独立運動に激しい弾圧を加えた。しかし1942年には日本軍の快進撃に刺激されたインド人の反英闘争が最高潮に達し、イギリスのインド支配は破局へと向かい始めた。 == 経歴 == 1887年9月24日、後に初代に叙される第7代ホープトン伯爵の長男として生まれる。 イートン校を卒業。1908年に父の死によりリンリスゴー侯爵位を継承。国防義勇軍に入隊し、第一次世界大戦にも従軍した。戦後も軍に所属し、少佐階級まで昇進した〔。 イギリス議会においてはインド農業委員会委員長、インド憲法改正両院特別委員会委員長を務めた。その経歴から1936年にインド総督初代ウィリングドン伯爵が退任すると、その後任のインド総督に任じられた〔浜渦(1999) p.183〕。 当時の英領インド帝国は、1935年インド統治法により中央は英領と藩王国の連邦制、州は自治制度をとることになっていた。しかし藩王国との交渉がうまく進まず、結局連邦制への移行は実現しなかった。また1937年には初めての州議会選挙がおこなわれたが、インド国民会議が過半数を獲得し、反英運動が高まった〔浜渦(1999) p.183-184〕。 1939年に第二次世界大戦が勃発するとリンリスゴー侯爵は立法議会を無視して独断で英領インド帝国を対独戦争へ突入させた。インド統治法上、総督は立法議会の同意を得る必要はなかったが、インド人の意向は一切無視された形となったためインド人からの批判に晒された〔浜渦(1999) p.184〕〔モリス(2010)下巻 p.287〕。ネルーは「一人の男が、それも外国人で、憎悪される制度の代表者である男が4億の民を彼らに一言の相談もなく戦争に突入させる権限を持つというのは腐敗している」と批判した〔モリス(2010)下巻 p.284-285〕。インド国民会議もイギリスへの戦争協力を一切拒否した〔浜渦(1999) p.184〕。 1940年にフランスが降伏した後、イギリスの危機的状況からインド国民議会への譲歩を考えたリンリスゴー侯爵は、本国のインド担当大臣とともに戦後にインドを自治領（ドミニオン）化させる計画を進めたものの、熱心な帝国主義者でインド独立運動の徹底弾圧を希望する首相ウィンストン・チャーチルが介入してきたためお流れとなり、弾圧路線へ突き進むこととなった〔浜渦(1999) p.184-185〕。 1941年3月に任期が切れたが、戦時中の特別処置として1943年10月まで任期が伸ばされた〔浜渦(1999) p.185〕。 1942年に日本軍がシンガポールを陥落させるとアジアにおけるイギリスの威信は決定的に崩壊した〔モリス(2010)下巻 p.284〕。これに勇気づけられたインド国民議会は反英闘争「」を開始した。リンリスゴー侯爵は徹底弾圧をもって臨み、ガンジーやネルーはじめ1万人以上のインド人を大量投獄した〔モリス(2010)下巻 p.283〕〔浜渦(1999) p.185〕。しかしそれによってイギリスの威信が回復することはなく、イギリスのインド支配は崩壊へと突き進み始めた〔モリス(2010)下巻 p.283-284〕。 任期最後の年の1943年にはベンガル飢饉が発生して500万人のインド人が餓死した。しかしリンリスゴー侯爵はベンガルへの視察を一度も行おうとはしなかったため、さらにインド人の憎悪を集めた〔浜渦(1999) p.185〕。 総督退任後の1944年から1945年にかけてはを務めた。1944年から1952年にかけてはを務めた〔。 1952年1月5日に死去〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「ヴィクター・ホープ (第2代リンリスゴー侯爵)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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